【子どもが朝起きられない!】イライラしないために理解したい「思春期の睡眠」

「もう7時だよ!」
「何回起こしたら起きるの?」
「昨日も早く寝なさいって言ったよね。」

毎朝、このようなやり取りを繰り返していませんか。

学校へ遅刻させたくないという気持ちから、つい強い口調になってしまったり、

「どうしてこんなに朝が苦手なの?」とイライラしてしまったりする保護者の方は少なくありません。

実際、多くの親御さんが「もっと早く寝ればいいのに」「怠けているだけでは?」と感じた経験があるのではないでしょうか。

しかし、思春期の子どもが朝起きられないのは、本人のやる気や性格だけが原因とは限りません。

実は、思春期になると体内時計そのものが変化し、「夜は眠くなりにくく、朝は起きにくい」状態になりやすいことが睡眠科学の研究でわかっています。

もちろん、スマートフォンやゲームによる夜更かしなど生活習慣の影響もあります。しかし、それだけで説明できるものではなく、成長に伴う体の変化も大きく関係しているのです。

この記事では、思春期の子どもが朝起きられない理由と、家庭でできる対策について、睡眠科学の視点からわかりやすく解説します。


思春期になると体内時計が変化する

思春期になると、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が活発になります。

それに伴って、体内時計(概日リズム)が約2〜3時間後ろへずれることが知られています。

さらに、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌も遅くなるため、「夜型」になりがちです。

大人と同じ時間に布団へ入っても、子どもの体はまだ「眠る時間ではない」と判断していることがあります。

その結果、

  • 夜はなかなか眠くならない
  • 朝は起きられない

という状態になりやすくなります。

つまり、中学生や高校生が夜更かしをしやすいのは、生活態度だけではなく、生理的な変化も大きく影響しているのです。


「思春期の朝7時起床」=「大人の朝4時起床」?

思春期の子どもの体内時計を大人に当てはめると、

朝7時に起きることは、大人が朝4時頃に起こされるような感覚ともいわれています。

もちろん個人差はありますが、この例えからも「朝起きられない=怠けている」と決めつけられないことが分かります。

だからといって、「学校へ行かなくていい」という話ではありません。

大切なのは、子どもの体に何が起きているのかを知ったうえで、家庭でできる工夫を一緒に考えることです。


学校生活と中高生の体内時計にはズレがある

現在、日本の中学校・高校の多くは午前8時半前後に始業します。

しかし、思春期の子どもの体内時計は夜型へ移行しやすく、学校生活との間にズレが生じています。

海外では、この問題に着目し、学校の始業時間を遅らせる取り組みを行っている地域(アメリカ)があります。

始業時間を遅らせた学校では、

  • 睡眠時間の増加
  • 日中の眠気の改善
  • 学習意欲や成績の向上
  • 遅刻や欠席の減少
  • 気分の落ち込みやイライラの軽減

などが報告されています。

つまり、「朝が苦手なのはうちの子だけ」というわけではなく、多くの思春期の子どもに共通する課題なのです。


睡眠不足は学校生活にも影響するー不登校の一因にもー

慢性的な睡眠不足が続くと、

  • 授業中に眠くなる
  • 集中力が続かない
  • 学習効率が下がる
  • イライラしやすくなる
  • 気分が落ち込みやすくなる

など、学校生活にもさまざまな影響が現れます。

文部科学省の調査では、不登校の背景として「生活リズムの乱れ」や「朝起きられないこと」が関係しているケースも報告されています

もちろん、不登校は友人関係や学習面、家庭環境など、さまざまな要因が重なって起こるものであり、睡眠だけが原因ではありません。

しかし、睡眠は子どもの心と体を支える土台です。

生活リズムを整えることは、学校生活を支える大切な一歩になるでしょう。


家庭でできる思春期の睡眠対策

思春期の体内時計をすぐに変えることはできませんが、生活習慣を整えることで改善が期待できます。

朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びる

朝の光は体内時計をリセットする働きがあります。

起きたらまずカーテンを開け、朝日を浴びる習慣をつけましょう。

夜は照明を少し暗くする

寝る1〜2時間前は暖色系の照明にすると、眠気を促しやすくなります。

就寝時間は毎日5〜10分ずつ早める

急に1時間早く寝ようとしても、なかなか眠れません。

少しずつ生活リズムを調整していくことが大切です。

休日も寝坊しすぎない

休日に昼近くまで寝てしまうと、月曜日の朝がさらに辛くなります。

休日も平日との差を1時間程度に抑えることが理想です。

スマートフォンは寝室へ持ち込まない

夜遅くまで動画やSNSを見ていると、睡眠リズムは乱れやすくなります。

家庭でルールを決め、寝室にはスマートフォンを持ち込まない工夫も効果的です。


【まとめ】子どもを責めず、自分を守る-まずは思春期の睡眠を知ることから-

思春期の子どもが朝起きられない背景には、体内時計やホルモン分泌の変化という、生理的な理由があります。

もちろん、スマートフォンの使い方や生活習慣を見直すことも大切ですが、「怠けている」「やる気がない」と決めつけてしまうと、親子ともにつらくなってしまいます。

子どもを甘やかす必要はありません。

しかし、体の仕組みを理解したうえで生活リズムを整えるサポートをすることは、親だからこそできる大切な役割です。

毎朝の「起きなさい!」がお互いにとってストレスになっているご家庭も少なくありません。

まずは「なぜ起きられないのか」を知ることが、親子で睡眠と向き合う第一歩です。

一人で抱え込まず、必要に応じて学校や医療機関へ相談しながら、お子さんに合った方法を一緒に探していきましょう。


横浜市神奈川区六角橋・白楽エリアの鍼灸マッサージ院 如月では、睡眠科学と東洋医学の両方の視点から、お子さんの睡眠に関するご相談をお受けしています。

「朝どうしても起きられない」
「生活リズムを整えたい」
「病院へ行く前に一度相談したい」
「親としてどう接すればいいか分からない」

そんなお悩みも、お気軽にご相談ください。

遠方にお住まいの方や、ご来院が難しい方にはオンラインでの睡眠相談も行っています。

一人で悩まず、お子さんに合った方法を一緒に考えていきましょう。

【参考文献】

・「睡眠を科学する」 ヘザー・ダーウォル=スミス(著)・櫻井武(監修) 東京書籍

・「健康・医療・福祉のための睡眠検定ハンドブック」 日本睡眠教育機構 全日本病院出版会

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