脳死での朝活はキケン
「人生の勝者は朝の時間を有効に使っている」
「成功のカギは朝にある」
いわゆる『朝活』という言葉が昨今では流行しています。
朝活は、早起きをして生産的な時間を過ごすことで、
1日のスタートを効率的に切ることができると言われています。
人によっては「朝4時から朝活をしている」そうです。
しかし、誰にとっても朝活が効果的であるわけではありません。
朝活を始めてからこんな症状に悩まされている人はいませんか?
☑︎いつもどこか疲れているような感じがする
☑︎最近イライラすることが増えてきた
☑︎気持ちが落ち着かない
⇨該当する人は残念なことに「朝活が合っていない可能性」が高いです。
自分に合った睡眠スタイルを過ごしていないことで、身体の不調を訴えられる方は患者さんも多くいらっしゃる印象です。
長期的に無理な朝型生活を続けることで心身の健康を損い、将来的な健康リスクがUPする可能性があります。
そしてそれは意志の力で変えれることではありません。
今回はそんな「早起きは三文の徳でない」人たち向けて、お話をしていきたいと思います。
❶朝型·夜型は「遺伝」が決める
人にはそれぞれ異なる『体内時計』が存在します。
「朝型」の人と「夜型」の人がいるように、個々の生活リズムやエネルギーのピークタイムは異なります。
「朝型」の人にとっては、早朝に活動を始めることが自然であり、むしろ快適に感じるかもしれません。一方で、「夜型」の人にとっては、早起きは非常に苦痛であり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
この朝型夜型が顕著に分かれるのは「学校生活」ではないでしょうか?
学生時代の6:30~7:00に強制的に起こされる生活は夜型の私にとっては非常に苦痛でした。常に「寝起きがダルく布団から出ることができない」·「授業中の眠気」に見舞われていたことを鮮明に覚えています。
この「体内時計」を決めるのは、年齢·生活環境の影響を受けるのとされていますが、半分以上は遺伝で決定されいている。と言われています。
「朝型·夜型の正規分布」によると、「極端な朝型」は5%+「朝型」は20%=25%
つまり40人クラスであれば10人が「朝型」に該当すると考えられています。
では自分の体内時計は「朝型」「夜型」どっちなのでしょうか?
自分の睡眠タイプを簡単に把握する方法としては「ミュンヘンクロノタイプ」が有名です。(アメリカのマイクブレウス博士が提唱)
この「クロノタイプ」でも、65%~70%の人は朝型に該当せず、朝4時からの作業には適していないと考えられているのです。
簡易的な鑑別イラストは下記に記載してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
この他チャートにおける「クマ型」「オオカミ型」は朝活には向かないと考えています。
❷夜型が朝活を続けると?
結論から申し上げますと以下の症状が出現します。
☑️慢性疲労
☑️イライラするなどのネガティブ感情の増加
また長期化することで、❶老化·❷炎症·❸高血圧·❹高血糖などの原因となります。
こちらは目覚めに関与するホルモン「コルチゾール」が関与するのですが、
夜型の人が「朝7時より前」に起床してしまうと、覚醒ホルモン「コルチゾール」の分泌が通常よりも増加することが判明しました。(ウエストミンスター大学の調査)
☑︎目覚めた後、朝ボーッとする
☑︎しばらくすると頭がシャキッとする
↑これはコルチゾールの覚醒することが作用するおかげです。
朝目覚める時にコルチゾールが分泌されるのですが、朝7時より前に起きてしまうとそ分泌量がピークを迎えた状態で、高止まりしてしまいます。
いわば常にギアが常に入った『過活動モード』。
身体が常に活動モードとなってしまった結果、常にヘトヘト(慢性疲労)の状態となってしまいまうのです。
またコルチゾールは「抗ストレスホルモン」とも呼ばれており、さまざまなストレスに対して適応できるように身体の機能を調整する重要な役割を持っています(血圧·血糖値を上げてストレスを軽減するように身体が働きます)。
つまりコルチゾールの分泌量が増え過ぎてしまうと、血圧·血糖値も一緒に上昇してしまう。
将来的には高血圧や高血糖などの健康リスクを高めてしまう可能性があるのです。
❸まとめ:朝活は絶対正義ではない
結論として、朝活は素晴らしい習慣ではありますが、すべての人に合うわけではありません。
周囲の人に目を向けてみましょう。遺伝だけでなく、あなたとは年齢も違えば、就労環境も異なり、家族環境も異なります。
つまり自分の体質や生活スタイルに合った時間帯で、自分なりの生産的な時間を見つけることが重要です。
朝活に固執せず、自分に最も適したリズムを探すことで、より健康的で充実した生活を送ることができるでしょう。
最後にもう一度お伝えしたいと思います。
「朝活が出来ないので、生産的でない」「自分は落第者だ」
このような思考・価値観にとらわれてしまうことは自分を追い詰めてしまうことになりますよ。
個人的には「夜型」はクリエティブな仕事に最大限能力を発揮しますし、
カッコいい大人というのは、成功者の真似をするのではなく自分のことを理解している人だと感じます。
みんな違ってみんな良い。とにかく自分を苦しめないでくださいね。
もし自分の睡眠スタイルが分からないという方は、簡易的であればいつでもご相談に乗りますのでお気軽に当院にご相談くださいませ。
※参考文献
·「健康·医療·福祉のための睡眠検定ハンドブック」 日本睡眠教育機構 全日本病院出版社
·「超速で脳の疲れを取る 賢者の睡眠」 メンタリストDaigo リベラル社
·「ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー」西野精治 (著), 千葉伸太郎 (著), 一般社団法人ブレインヘルスラボ
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