よく眠れる寝室のために知っておきたい3つのこと

目次

はじめに:寝室環境は睡眠の質を左右する

あなたの寝室環境をイメージしてみましょう。なんとなく頭の中に浮かんでみましたか?

先にお伝えすると「暗くて静かで朝まで適温」が重要です。睡眠の質を大きく左右します。

ただ「当たり前」の日常になっていることもあり、何が睡眠の質を下げているのかよくわかりませんよね。

そんなあなたへ向けた押さえておきたい見直すべき寝室環境のポイントを3つにまとめてみました。

睡眠の質を下げる3つの要因

その睡眠の質を下げてしまう3つのポイント。それは「光、温度、湿度」です。

それぞれを見直し、改善することでより良い睡眠環境を整えることができます。まずは簡単に説明して行きますね。

❶音

人間の聴覚は眠っている間も働き続けています。特に人の話し声には覚醒作用があります。そのため、静かな環境でないと深い睡眠が阻害されてしまいます。

❷光

夜間に明るい光があると、体内時計が遅れがちになります。明るい光そのものに覚醒作用があり、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが抑制され、寝つきにくくなります。

❸温度(+湿度&CO2)

寒い・暑い部屋で寝ると、睡眠の質が悪くなります。快適な寝室の室温は冬は19~22℃・夏23~26℃くらいです。この適温まで朝まで保つことが大切。エアコンを上手に活用して行きましょう。

では、それぞれのポイントを見て行きましょう。

❶光:日本の寝室は明る過ぎる

日本の住宅は世界的に見ても夜の照明が過剰に明るい傾向があります。寝室だけでなく、リビングなども夜の間は薄暗いと感じるくらいの照明にしましょう。

なぜなら明るい環境下では、身体が眠る準備を整えられないのです。

眠りに導くホルモンであるメラトニンは午後9~10時から分泌され、身体をリラックスさせて休息モードに切り替えます。ただし強い光が目に入ると、分泌が抑制されてしまうのです。そもそも光そのものにも覚醒作用があります。

そのため夜は夜のリビングは雰囲気の良いレストランくらいの明るさにしましょう。

夜間、白or昼光色の明るい照明をつけていると、メラトニン分泌を抑制してしまいます。間接照明を利用したり、暖色系(電球色)の照明に付け替えるなどで、夜は薄暗いところで過ごすことが大事です。

ちなみに、完全な暗闇は不安を引き起こして眠れない人も一定数いらっしゃいます。

その場合には「3lx(周囲の人がぼんやりみえ4m先の人の挙動、姿勢などが認識できる程度)の照明を選ぶ」ことでメラトニン抑制が起こりにくいので使用をオススメします。

❷音:寝ている時は「話し声」も騒音に

「無音」が理想とは言われていますが、眠りにつくにはそれ以上に「安心」が何よりも大事。

「音」ないと眠れないという方の声も聞くことが多いですが、YouTubeを見ながら、いつも眠れているという人はそれで大丈夫。なぜなら何で安心するかは「人それぞれ」だからです。

ただ事実として眠っている状況下でも、脳は働いています。

一般的には睡眠に影響が与えられる騒音は40dB以上と言われています。

私たち普段話している話し声でも50dB。つまり話し声=騒音なのです。

日中活動に問題がない人は、音をつけっぱなしでも大丈夫なのですが、「いつも眠れない」「日中のパフォーマンスが悪い」という人は、音の見直しが必要でしょう。そんな方にオススメなのが「ホワイトノイズ」でしょうか?

小鳥のさえずり、雨音、小川のせせらぎ、波の音などいわゆる自然に存在する音源です。リラックス効果もあるとされるのでぜひ一度試してみてくださいね。

❸温度:目に見えないからこそ管理が命

年中快適な室温を保つことが睡眠の質の向上につながります。夏や冬にエアコンをつけずに寝ると、寝苦しく感じることがあります。これは、睡眠の質を左右させる要因の一つです。

夏の状況下では、睡眠中に体温調整を行うため薄手のものでもかけ布団は必須。就寝2時間前くらいからエアコン設定24~25℃の状況下で快適な温度環境が作れると言われています。

冬に寒い環境下では睡眠障害の確率が1.4倍になるという報告があります。これは手足の末梢血管が収縮して細くなり、深部体温が下がらず眠りにくくなることに由来するそうです。

また突然の温度変化は、ストレスホルモンであるノルアドレナリンの放出を引き起こし、入眠を妨げてしまいますので、家の中の温度変化は極力少なくしましょう。冬場などにはトイレや脱衣所などにファンヒーターを置くことをオススメします。

ただ重要なのは、自分自身が快適に感じる室温・湿度を朝まで保つこと。

ちなみによく言われる「エアコンのつけっぱなしが身体に悪い」というのは都市伝説です。風が直接身体い当たるのを避ければ問題ありませんので、苦手でなければガンガン使用しましょう。

おまけ:加湿+換気がもたらすメリット

乾燥した環境はいびきを悪化させる可能性があるため、必要に応じて加湿して下さい。夏は50~60%・冬は40~50%が最適。加湿器がない場合には、濡れたタオルを干すなどで代用しましょう。

また室内の換気で、空気を新鮮なものに入れ替えることで多くの恩恵があります。空気中の有害な物質を排出すると同時に、二酸化炭素濃度が低下。湿度も調整することができます。30分~1時間で部屋の空気が入れ替わるスピードが目安です。24時間換気が理想ですが、条件として難しい場合は換気扇やサーキュレーターなどで代用しましょう。

まとめ:理想の睡眠環境とは?

いかがでしたか?

光・音・温度、この3つの要素を抑えた上で、その後、色々なものに目を向けていくことが必要です。

・お気に入りのフレグランスを利用する

・遮光カーテンを使う

・自分が心地よいと感じる寝具を使用する

・観葉植物や花を置く(ストレス軽減・リラックス効果が)

・クッション性のある柔らかいスリッパやマットで足への負担を軽減する

などなど

ただ科学的な効果があるとされていてもまずは「自分自身の安心」が大事です。

スリーププランナーと睡眠健康指導士の知見であなたに合ったオーダーメイドの睡眠環境のご提案をさせていただきます。

睡眠に関するお悩みの方はぜひ一度当院までご相談くださいませ。

※参考文献

·「健康·医療·福祉のための睡眠検定ハンドブック」 日本睡眠教育機構 全日本病院出版社

·「ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー」西野精治(著), 千葉伸太郎(著), 一般社団法人ブレインヘルスラボ

・「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」 じほう

・「今さら聞けない 睡眠の超基本(今さら聞けない超基本シリーズ)  柳沢 正史 朝日新聞出版

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次