眼精疲労に悩むあなたへ――東洋医学の視点から「目のかすみ」を読み解く

パソコンやスマートフォンが手放せない現代、目のかすみや眼精疲労に悩む人が急増しています。

視界がぼやけ、頭痛や肩こりまで感じるようになると、仕事や日常生活の質が低下しがちです。

実はこの「目のかすみ」、東洋医学(中医学)では「目昏(もくこん)」や「眼花(がんか)」と呼ばれ、単なる目の使いすぎだけではなく、全身のバランスの乱れが深く関わっていると考えられています。

本記事では、「眼精疲労シリーズ」第一弾として、眼精疲労を訴える方に多い「目のかすみ」について詳しく解説し、さらに東洋医学的な視点から症状の分類と鍼灸によるアプローチをわかりやすくお届けします。

あなたの目の健康を取り戻すヒントとして、ぜひ参考にしてください。


目次

眼精疲労とは?目のかすみと頭痛・肩こりを伴う症状

「眼精疲労」とは、目の疲れだけでなく、目の奥の痛み、かすみ、頭痛、肩こり、めまい、集中力低下など、全身症状を伴う不調の総称です。

現代社会では長時間のデジタル機器使用やストレス、睡眠不足などが大きな要因となり、目のかすみだけでなく頭痛や肩こりを引き起こす方が非常に多くなっています。

特にパソコンやスマホ作業が続くと、目の周囲や首肩の筋肉が緊張し血流が悪化。自律神経の乱れも相まって、頭痛や肩こりが慢性化しやすいのです。


▼「頭痛」にお悩みの方は、当院の【鍼灸による頭痛治療】の記事もぜひご覧ください。

▼「肩こり」にお悩みの方は、当院の【鍼灸で肩こり改善】の記事も参考になります。


東洋医学で読み解く目のかすみ(目昏)

東洋医学(中医学)では、目のかすみを「目昏(もくこん)」「眼花(がんか)」と呼び、その主な原因は「目に栄養が届かない」状態とされています。

五臓(肝・心・脾・肺・腎)が全てが関与して、栄養を生成・供給を行いますが、時に「肝」と密接に関わっていると考えられています。

「五臓」と「五官」の関係性

肝が保有する血量が減少したときに目のかすみは生じやすいのです(中医学でいう血(けつ)は、栄養素の役割を果たします)。

目は想像以上に大量の血(けつ)を消耗します。そのため肝が血を届けても、届けても補充が間に合わないようなイメージです。

この『栄養素の生成→目の栄養素の供給不足』という観点から、以下の6つのタイプに分けられます 。


心肝血虚(目の栄養不足タイプ)

東洋医学では「肝」は血液を貯蔵し、「心」は血液の循環を統括する臓器とされています。

肝や心が弱ることで目に必要な血液が不足し、目がかすむ症状が現れます。

  • 特徴:顔色が青白い、動悸、不眠など
  • オススメのツボ:少海・太衝・肝兪・心兪など
  • セルフケア:0時までには就寝する・7時間睡眠は確保する・心配事は紙に書いてリリースする
肘後内側、上腕骨内側上顆の前側・肘のシワ上です。

脾気虚弱(栄養生成不足タイプ)

飲食物から栄養を作り出す「脾」の働きが弱いと、目への栄養供給が不足し目のかすみが生じます。

  • 特徴:瞼が重い(食後特に強まる)、目の疲れを感じやすいなど
  • オススメのツボ:至陽・太白・足三里・公孫など
  • セルフケア:食事はゆっくり噛んで食べる・胃腸をなるべく冷やさない・疲れを感じる前に休む
足の第1中足指関節の後内側の陥凹部です。

風痰上襲(詰まりタイプ)

水液代謝異常によって生じた「痰(たん)」という粘液状の物質が、目への栄養供給をブロックすることで目のかすみを引き起こします。

  • 特徴:時折目がピクピクとする
  • オススメのツボ:豊隆・間使・或中・天池など
  • セルフケア:ジャンクフードやアルコールなどの摂取を控える・軽く息があがる運動も
手関節前面横紋の上方3寸(人差し〜小指4本分)で、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間

肝鬱気滞(ストレスタイプ)

ストレスや精神的な抑うつにより、肝の気の流れが停滞して目の循環が悪化し、目のかすみが現れます。

  • 特徴:ストレスが解消すると一時的に症状が軽減する
  • オススメのツボ:太衝・蠡溝・日月など
  • セルフケア:ストレッチや散歩などゆっくり身体を動かす時間を作る・おしゃべりなどで自分の中に溜まっている葛藤を吐き出す。
 足の親指と人差し指の骨が交差するところの凹み

肝腎陰虚(加齢・保湿不足タイプ)

加齢とともに「精(せい)」や「血(けつ)」が不足し、目への血液供給が減ることでかすみが生じます。栄養源が不足するイメージです。

  • 特徴:更年期以降に生じやすい・ドライアイ傾向が強い
  • オススメのツボ:復溜・太渓・湧泉など
  • セルフケア:規則正しい生活を意識する・少しでも良いので自分だけの時間を作る
内くるぶしとアキレス腱の間の凹み

命門火衰(加齢・消耗タイプ)

大病や過労、加齢による全身の生命エネルギー(精気)が消耗し、目の栄養も不足してかすみが現れます。

  • 特徴:中年期以降に出現しやすい・めまいが伴うことも
  • オススメのツボ:十七椎・命門・腎兪など
  • セルフケア:お風呂にはゆっくり浸かり温まる・お腹は冷やさない
ウエストのくびれの高さで、背骨から親指の幅1本半分ほど離れた左右両

鍼灸による目のかすみ・眼精疲労へのアプローチ

こうした多様な目のかすみのタイプに対し、鍼灸では個々の体質と症状に合わせた施術を行い、根本的な改善を目指します。

前述の「五臓」の失調の観点以外にも以下の方法でアプローチします。


目の周囲と全身のツボ刺激で血流改善

睛明(せいめい)、攅竹(さんちく)、太陽(たいよう)、風池(ふうち)などの目の周囲や首肩のツボを刺激し、滞った血流を促します。これにより目に酸素や栄養が行き渡り、かすみや疲れが和らぎます。


自律神経の調整とリラックス効果

全身の経絡を整え、副交感神経を優位にすることで目の緊張をほぐし、ストレスによる頭痛や肩こりも改善できます。


セルフケアと鍼灸で目の健康を守る

鍼灸と並行して日常生活でも目の健康を守る習慣を心がけましょう。「目の使わない」ということに加えて、「肝」を養うという視点が大切です。

・ホットアイマスクや蒸しタオルで目を温める

・スマホやPCは1時間に1回休憩を入れ、遠くを見る

・ストレスケアや十分な睡眠で自律神経を整える

寝る1時間前にはPC・スマホの使用を控える。

・1日7時間の睡眠時間は確保する

バランスの良い食事で体の内側から健康をサポートする


東洋医学と鍼灸で目のかすみ・眼精疲労を根本改善しよう

目のかすみや眼精疲労は、単なる目の使いすぎだけではなく、全身のバランスの乱れが深く関わっています。

東洋医学の視点から鍼灸を取り入れることで、血流改善、自律神経の調整、肝腎のサポートといった多角的アプローチが可能です。

あなたも、目のかすみが辛い時こそ、一度鍼灸を試してみてください。根本的な体質改善で、目のかすみだけでなく、頭痛や肩こりの解消にもつながるかもしれません。

ぜひこの機会に、目と全身の健康を取り戻す一歩を踏み出してみてください。


「なんだかツラい…」その不調をお持ちの方は、ぜひ横浜市神奈川区六角橋・白楽の「鍼灸マッサージ治療院 如月」へご相談ください。

当院では、東洋医学の伝統的な知見と最新の睡眠科学の視点を組み合わせ、一人ひとりの体質や症状に合わせた最適なケアをご提案いたします。

目のかすみを始めとする眼精疲労にも対応しております。専門的な視点から身体を整え、快適な生活を手に入れるお手伝いをさせてください。


あなたの大切な時間をより良いものにするために、心を込めて治療にあたります。

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