眠気覚ましの「カフェイン」と言うことで、朝や仕事に集中するために嗜まれる方は多いのではないしょうか?
しかし、カフェインを摂取する時間帯や量を間違えてしまうと、快眠を阻害するだけでなく、不定愁訴の原因となります。
カフェインが好きな方で、こんな症状に悩まされている人はいないでしょうか?
- 布団についてもなかなか寝付けない
- 入眠後2〜3時間で目が覚めてしまう
- トイレに何度も起きてしまう
- 起床時ものすごくダルい
- イライラ・不安・興奮することが増えてきた
睡眠の観点から「カフェイン」との付き合い方について簡単に記載してみました。よろしければ最後までお付き合い下さい。
カフェインって何に含まれいるのか?
まずは何にカフェインが含まれているか見ていきましょう。100mlあたりのカフェイン含有量をまとめてみました。
コーヒー・紅茶がカフェインとして一般的ですが、ペプシコーラなどの炭酸飲料にも含まれています。
ちなみに飲料ではないにしろ、チョコレート、風邪薬などにも含まれています。私たちの身近なところに存在しているのです。
快眠のためのカフェインルール4選
まずはこの4つだけ押さえててください。
❶起床時60分は避ける(90分という説も)
❷1日400mgまで(コーヒー2〜3杯)
❸昼寝前の摂取がなお良し
❹ディナータイム以降は控えるのが望ましい
❶起床時60分以内は避ける
朝イチのコーヒーは、日中眠くなったりだるくなったりする原因となります。
人体の仕組みとして、人間は「起床=活動モード」に向けて、明け方〜起きた後の1時間、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンの働きが活発になります。
このコルチゾールが分泌されているタイミングでコーヒーを飲んでしまうと、カフェインがコルチゾールの自然な分泌を阻害してしまい、自然な人体の覚醒機序が妨げられてしまうんですよね。
朝、コーヒーを飲みたいのであれば、「起床後60分以上」のコーヒーをオススメします(90分という説もあります)。
❷1日400mgまで(コーヒー2〜3杯)
カナダ保健省によると成人のカフェイン摂取量は、400mg(1日)が許容範囲であるとされています。(妊婦を除く)
この数値はコーヒーカップ1杯(120mg)換算すると1日2~3杯が目安です。
この400mgという数値を超えてしまうと、イライラ、不安、興奮が引き起こされると指摘されています。(400~500mgで生じると報告されています。)
❸昼寝前の摂取で「午後の眠気」とサヨナラ
20分以内の昼寝で「眠気の軽減&午後の生産性UP」の恩恵があります「通称・パワーナップ」。
海外の企業に目を向けていると、Google・appleでも従業員の午後からの生産性を上げるよう企業単位で取り組んでいます。
この昼寝の効果を更に向上されるのが「昼寝前のカフェイン」です。
カフェインは摂取してから体に作用するまでに15~30分程の時間を要します。
つまり20分程度の仮眠後にカフェインが作用することで、
「昼寝+カフェインの覚醒効果」で尚更スッキリ起きることができるのです。
ちなみにホット飲料とアイス飲料では体に作用するまでにかかる時間が異なります。
上記はアイス飲料はおおよそ1時間程度かかるので、オフィスでの昼寝ではホット飲料の摂取をオススメします。
❹ディナータイム以降は控えるのが望ましい
カフェインの覚醒作用は覚醒作用以外にも利尿作用があります。
夕方以降の摂取は覚醒だけでなく、夜間頻尿にもつながってしまうのです。
カフェインの血中濃度が半減するのはおおよそ4時間。
つまり、夕方以降にカフェインを取ると、4時間たってもその作用が抜けずに睡眠に影響を及ぼします。
20時に摂取してしまうと、24時までカフェインの覚醒作用が働くのです。
快適睡眠を得るためには、夕方以降のカフェイン摂取は避けるべきでしょう。
最後に
いかがでしたか?
これまでに述べた4つのカフェインルールを制して、快眠や日中の眠気にコミットしていきましょう。
ただお伝えしたいこととしては、カフェインの影響を受けやすい受けにくいは、年齢・性別・遺伝などで異なります。
夜のカフェインは「人によっては100mg程度だと問題ない」と言う報告もあるほど。
ご自身がお悩みの睡眠やお身体の症状に合わせて、ぜひ見直していただきたいです。
もちろん自分一人ではわからないという場合には、当院までお問い合わせいただければご自身に合ったアドバイスをさせていただきます。
もしお悩みの方は、お気軽にご相談くださいませ。
※参考文献
·「健康·医療·福祉のための睡眠検定ハンドブック」 日本睡眠教育機構 全日本病院出版社
·「ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー」西野精治 (著), 千葉伸太郎(著), 一般社団法人ブレインヘルスラボ
・「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」 じほう