「胸だけ汗をかく」「胸の中心部だけ異様に湿る」――そんな症状に心当たりはありませんか?
全身の汗と違い、胸部に局所的に発汗が見られる場合、東洋医学ではそれを身体からのサインと捉えます。
この記事では、東洋医学・鍼灸の視点から胸部の汗の原因を詳しく解説し、体質改善のための施術やセルフケア方法をご紹介します。
胸だけ汗をかく原因とは?

胸の中央部、特に胸骨あたりにだけ発汗が見られる場合、中医書では「心胸汗出(しんきょうかんしゅつ)」と表現します。これは五臓の中の「心(しん)」と深く関係します。
東洋医学において、心は血液循環や精神活動を司る重要な臓器であり、感情やストレス、生活習慣の影響を受けやすい部位です。そのため、心の機能に乱れが生じると、関連部位である胸部に異常な発汗が起こるのです。
心脾両虚(しんぴりょうきょ)による胸部の汗
心脾両虚とは、心と脾(ひ)の両方が弱っている状態です。
脾は食べ物から栄養(気血)を作り出し、それを全身に運ぶ役割を担っています。
心と脾は密接に連動しており、一方の不調がもう一方にも波及します。
衛気(えき)と呼ばれる体表を守るエネルギーが不足すると、汗腺を閉じる力が弱まり、胸部の汗が目立ちやすくなります。
◎原因一覧◎
- 過度な思い悩みや精神的ストレス
- 暴飲暴食や偏った食生活
- 長時間の過労や睡眠不足
併発しやすい症状
- 顔色が悪い
- 疲れやすい
- 食欲不振
- 集中力の低下
【治療でよく用いるツボ】(補益心脾・固表止汗の効果があるもの)
曲沢(きょくたく)・合谷(ごうこく)・三陰交(さんいんこう)・足三里(あしさんり)など

心腎陰虚(しんじんいんきょ)による胸部の汗
心腎陰虚とは、身体を潤す「陰液」が不足し、相対的に熱が生じる状態です。
この熱が胸部に影響を及ぼし、水分が押し出される形で発汗します。
◎原因の一覧
- アルコールの過剰摂取
- 過度な発汗(サウナや激しい運動)
- 慢性的な病気や精神的ストレスによる消耗
併発しやすい症状
- 尿量が少なく色が濃い
- 口や舌の乾燥
- のぼせやほてり
- 不眠や動悸
【治療でよく用いるツボ】(補益心腎の効果のあるもの)
- 湧泉(ゆうせん)・陰郄(いんげき)・太渓(たいけい)など

胸部の発汗を整える鍼灸の力
東洋医学では、症状そのものを抑えるのではなく、身体全体のバランスを整えることで根本改善を目指します。
胸部の汗の場合も、原因となる臓腑の乱れを見極め、それに応じた施術を行います。
鍼灸治療の流れ
- 問診・脈診・舌診で体質や不調の原因を把握
- 経絡の滞りを整えるツボに鍼やお灸を施す
- 治療後は生活指導や食事アドバイスで再発防止
胸部の汗に対する施術は、週1〜2回を目安に継続的に行うことで、徐々に発汗のバランスが整っていきます。
生活習慣の改善ポイント
- 栄養バランスを意識し、冷たい飲食物を控える
- 睡眠時間をしっかり確保(7〜8時間)
- 深呼吸や瞑想で心の緊張をほぐす
- 軽い運動で全身の巡りを促す
胸の汗に関するよくある質問(FAQ)
Q. 胸の汗は病気のサインですか?
A. 必ずしも重大な病気とは限りませんが、身体のバランスの乱れを示すサインです。
長期間続く場合は専門家に相談しましょう。
Q. 鍼灸でどれくらいで改善しますか?
A. 体質や生活習慣によりますが、多くは数週間〜数か月で変化を感じます。
胸の汗は身体のSOS|東洋医学で根本改善を!

胸部だけの汗は、心・腎・脾のバランス乱れが関係している場合があります。
鍼灸と生活改善を組み合わせることで、根本から整えることが可能です。
「病院に行っても検査結果は問題ないけどツラい…」
そんな方はぜひご相談ください。
横浜市神奈川区六角橋・白楽エリアにある「鍼灸マッサージ院 如月」では、あなたの体質・症状に合わせた丁寧な施術で、発汗異常を根本からケアいたします。
「汗が止まらなくて困っている」――そんなお悩みのある方は、ぜひ一度気軽にご相談くださいませ。
【参考文献】
- ※参考文献
- ・『漢方用語大辞典」 燎原書店
- ・『中医症状鑑別診断学』人民衛生出版
- ・『十四経発揮』 東医針法研究会編