睡眠障害とニコチン(タバコ)の関係性について

大人の証として「タバコをふかす」。そんな姿に強い憧れを抱いていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに大人の嗜みの観点から「タバコをふかすとカッコイイ」と憧れの眼差しを受けていたのかもしれません。

ただお伝えしたいことは『百害あって一利なし』

メリットはホッと一息つけるリラックス作用と、吸ったあとしばらくシャッキリと目覚めるだけ。

ただ、健康を始め睡眠の観点見ればたくさんの弊害が見られます。

今回は喫煙者・そして受動喫煙をせざるを得ない。そんな方に向けの睡眠の質を担保する方法をお伝えしたいと思います。

目次

タバコ(ニコチン)で身体は覚醒モードに


結論から言うと、ニコチンは大脳を覚醒させます。ニコチンは体内に存在するアセチルコリン受容体に結合し、次のような変化をもたらします。

  1. 筋肉と血管の収縮
  2. 覚醒を引き起こす神経伝達物質(ドーパミンなど)の放出

これにより、心臓がバクバクし、血圧が上昇するモードに切り替わるのです。

このため、カフェインの代わりにニコチンを利用する方もいるかもしれませんが、身体は「活動モード」に突入してしまいます。


ニコチンと睡眠の相性は?

特に夜間の喫煙は、睡眠の大敵です。ニコチンの体内半減期は約2時間とされており、喫煙後するに寝床に着くことで次のような影響が出ます。

  • 入眠までの時間が長くなる(入眠困難)
  • 中途覚醒が増加する
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる

確かに吸った直後にリラックス作用がありますが、その効果はすぐに消失して覚醒へ切り替わってしまいます。

睡眠への影響を考慮すれば、できるだけ控えることが望ましいですが、特に就寝前の2時間以内までの喫煙するとオススメします。

ちなみに禁煙補助のニコチンガムやパッチも同様の覚醒効果もあるために、寝る直前の使用は注意が必要です。


禁煙と睡眠の関係-急にやめてしまうと不眠に-

急に禁煙をすると、高い確率で不眠症状が出ると言われています。

ニコチンは非常に依存性が高く、不眠の辛さが原因で禁煙を続けられない方も少なくありません。

そんな方が禁煙を成功させるためには、適切な睡眠指導や、不眠に対する認知行動療法のサポートが必要です。

タバコ以外の嗜好品の摂取方法や、不健康な生活習慣の改善も考慮する必要があります。専門家の力を借りながら、慎重に進めていくことが大切です。


快適な睡眠のために気をつけたいこと

ニコチンによる覚醒作用は、夜間の睡眠に悪影響を与え、日中の眠気を引き起こします。そして、眠気を解消するためにさらに喫煙する、という悪循環に陥ることも指摘されています。また、睡眠だけでなく、健康資産の観点からも喫煙のリスクは大きいです。

ただ前述の通り、いきなりタバコをやめてしまうことでかえって不眠の原因になってしまう可能性があります。

  1. 飲酒しながらタバコを吸うことを控える
  2. 寝る2時間前までにタバコをやめ、他のリラックス方法を見つける

などまずはご自身の悪癖を理解し、無理のない範囲で取り組んでいきましょう。


まとめ:睡眠・そして大切な人のためにも見直しを

また睡眠だけでなく、健康の観点からも非常に付き合い方が大事です。

有害物質は約200種類、約60種類は発がん性物質を含んでおり、肺がんや慢性閉塞性肺疾患のリスクファクターとなるのです。

喫煙が自分の健康だけでなく、周囲の人の睡眠や健康にも影響を与えているかもしれません。

心当たりがある方は、少しずつでも良いので見直しを進めてみてください。

ただし急な禁煙は不眠の原因となってしまうためまずは摂取のタイミングを見直し、質の良い睡眠を守っていきましょう。

当院ではご自身の生活習慣ないし、体質から総合的に判断して睡眠のトラブルの解決に向けて尽力いたします。

もし睡眠でお悩みの方は気軽にご相談・ご連絡くださいませ。

※参考文献

·「健康·医療·福祉のための睡眠検定ハンドブック」 日本睡眠教育機構 全日本病院出版社

·「ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー」西野精治(著), 千葉伸太郎(著), 一般社団法人ブレインヘルスラボ

・「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」 じほう


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