東洋医学的な「夜間尿」とオススメのセルフケアのツボ2選

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夜間尿は睡眠障害との関係

鍼灸治療を受けられる方の主訴として「夜間お手洗いに2~3回起きてしまう」は意外と多い。

そしてこの「夜間頻尿」は睡眠障害との関連性高い。

「眠りが浅く夜中に目が覚める⇆尿意をもよおしてトイレに」行くといった悪循環に陥りやすいのである。

途中で目が覚めてしまうため、中途覚醒ないし早朝覚醒ないし睡眠不足の原因となってしまう。また「またトイレに起きてしまうのではないのか…」という心理的不安はスムーズな入眠や再入眠を困難にしてしまうこともあります。

では中医書では「夜間多尿」をどのように捉えるのでしょうか?今回の記事を通じて解説していきたいと思います。

中医書における「夜間尿」とは?

「頻尿」とは分類されており、あくまで「夜間尿=夜間帯のお小水の回数と量の増加」を指す。

一般に夜間の排尿回数が2~3回以上、一日の総量の1/4を超えるものをいい、症状が重たいケースでは量・回数ともに日中を上回るものとされる。

夜間の尿量・回数が増える原因

❶膀胱内に尿をとどめておくパワーの低下

尿は膀胱内に貯蔵されているが、体液が漏れ出ないように引き閉めるパワー(『気の固摂作用』という)によって、尿が膀胱内にとどめられている。

この膀胱内に尿をとどめておくエネルギーの低下により、尿が膀胱から排出する回数。つまり尿量・回数の増加が生じる。

❷夜間は陰陽における「陰」が盛んな時間であること

夜間は「陰盛陽衰=身体の水液物質が増え、エネルギーが減少する」という特性から日中よりも尿が増えて、気が弱まるという事象が出現する。

中医学的「夜間尿」2タイプ

①腎陽虚タイプ(加齢タイプ)

尿を膀胱内に留めておく作用は五臓六腑の「腎」と密接な関わりがある。加齢による「腎」の機能が低下が原因。

❶尿を膀胱内にとどめておく力が弱まる

❷摂取した水分を「体外に取り込むor尿に変換する」力の低下→体内に吸収されずに尿となる

その結果、夜間の排尿回数・量の増加が生じる。

その他にみられるカラダの症状としては、寒がり・四肢の冷え(特に足)・残尿感などである。

②脾腎両虚タイプ

「脾」は飲食物の消化・吸収に強く関わる物質であり、弱ってしまうことで食事から取り出す「気」を体に取り込む力が弱まってしまう。飲み込んだ水分も同様に身にならない。働き過ぎ、心身の疲労などが原因。

「脾」は「腎」と相互補完関係にあり、いずれかのエネルギーが不足することで、双方ともにエネルギー不足となる。

結果、❶尿を膀胱内にとどめておく力が弱まり・❷尿量が増える といった症状が見られる。

その他にみられるカラダの症状としては、むくみ・食欲不振・倦怠感・下痢などなど。

オススメのツボ

2つのタイプとも「腎の陽気を高める」効果をもつツボでのケアが大切です。

専門的には「温補腎陽(おんぽじんよう」書籍を当たると「4つ」のツボが温補腎陽の効果を持っていました。

せんねん灸などでのセルフケアは「太渓(たいけい)」をオススメいたします。

(場所)

内くるぶしとアキレス腱の間の陥凹部

「せんねん灸を使えないよ…」という人は、「曲骨(きょっこつ)」というツボでお腹をカイロなどで温めるのもいいかもしれないですね。

(場所)

おへそから親指5本分下

いかがだったでしょうか?夜間頻尿の原因は多岐にわたります。

夜間頻尿と睡眠障害の原因を探り、両方を治療することが大切です。

鍼灸の適応症となりますので、お悩みの方はぜひ一度当院までご相談下さいませ。

※参考文献

『中医症状鑑別診断学』人民衛生出版

『十四経発揮』 東医針法研究会編

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