妊活というと、婦人科への通院、基礎体温の管理をはじめ、サプリメントや食事など、さまざまな対策を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、実はそのどれよりも根本的で、今夜からすぐに取り組める妊活サポート法があることをご存知でしょうか?
それが——「睡眠」です。
当院でも、「不眠」や「自律神経失調症」を主訴にご来院される方の中に、実はすでに婦人科にも通われている方が多くいらっしゃいます。
そして、そうした患者さまに共通して見られることのひとつが、「睡眠時間が圧倒的に短い」という点です。
日本人女性は、世界的に見ても睡眠時間が極端に短いことで知られています。とくに働く女性は、仕事に家事、育児と多忙を極めるなかで、自分の体の声を後回しにしがちです。
でも、本当に妊娠したいと願うなら、まずは「頑張る」ことをやめて、自分をいたわる睡眠から始めてみませんか?
この記事では、妊活・不妊と睡眠の関係について、研究データや医療的な視点から詳しく解説します。また、夜勤や不規則な生活を送る女性たちのリスクについても触れつつ、妊活を始めたい方にも役立つ情報をお届けします。
なぜ「睡眠」が妊活にとって重要なのか?
睡眠がホルモンバランスに与える影響

睡眠は、女性ホルモンの分泌に深く関わっていることをご存知でしょうか?
排卵や着床、妊娠の成立には、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」や「黄体形成ホルモン(LH)」など、複数のホルモンが連動して働くことが不可欠です。
ところが、ある研究では、
「睡眠時間が6時間未満の女性は、FSHの分泌量が20%も低下する」
という結果が報告されています。
これは決して見過ごせない重要な指摘です。
慢性的な睡眠不足は、ホルモン分泌のリズムを乱し、結果的に妊娠のチャンスを自ら狭めてしまう可能性があるということになります。
つまり、どれだけ排卵日を正確に狙ってタイミングを取ったとしても、体の内側の準備が整っていなければ、妊活の効果は十分に発揮されないのです。
短時間睡眠と流産・不妊のリスク

これもまた、働く女性にとって深刻な問題です。毎日残業が続き、寝不足が常態化していると、たとえ妊娠しても維持する力が弱まる可能性があります。
さらに、夜勤やシフト勤務をしている女性については、以下のようなリスクが各国の研究で報告されています。
- 9ヶ月以上妊娠しない確率が2倍(日勤と比較)
- 流産のリスクが44%(イギリス)、2倍(カナダ)
- 早産リスク60%(フランス)
- 妊娠中の高血圧リスク:30〜100%増加(ノルウェー)
- 乳がんリスクも上昇(30〜54歳女性)
こうしたリスクを少しでも軽減するには、体のリズムを整え、質の高い睡眠を確保することが極めて重要だといえます。
現代女性の睡眠事情と「世界一眠れていない」日本

OECD(経済協力開発機構)が発表した統計(2021年)によると、
日本人女性の平均睡眠時間はおよそ7時間22分とされており、これは加盟国中で最下位という結果になっています。
ちなみに、OECD諸国の女性の平均睡眠時間は約8時間25分。
日本人女性は世界平均よりも約1時間以上も短く眠っているのです。
実際に患者さんの声をお聞きしていると、仕事や育児、家事に追われて「6時間未満」の日が続く方も少なくありません。
「頑張る妊活」から「やさしい妊活」へ

「妊活」という言葉には、どこかプレッシャーや義務感のようなものがつきまといます。
基礎体温の記録、タイミング法の実践、婦人科への通院、サプリメントの摂取、そして終わりのない情報収集——。
気がつけば、「頑張ること」にばかり意識が向いてしまい、自分自身を追い込み、心も体も疲れきってしまっている方が少なくありません。
でも、本当は妊活=「頑張ること」ではないのです。
妊活でまず大切にしたいのは、心と体をゆるめること。
そしてそれを叶えるための最初のステップが、「しっかり眠ること」なのです。
妊娠は“授かりもの”。
決して、誰かと比べて競うようなものではありません。
「友人はもう二人目」「兄弟はすでに三人目」——
そんなふうに、周囲と自分を比べてしまう気持ち。
それはとても自然なことですが、知らず知らずのうちに、あなたの心にプレッシャーをかけてしまうのです。
けれど、妊娠のタイミングは人それぞれのリズムで訪れます。
比べても、焦っても、そのリズムが乱れてしまえば、かえって遠回りになることも。
妊活に本当に必要なのは、「もっと頑張ること」ではなく、
心に余白をつくることです。
「まずはしっかり眠る」ことこそが、妊娠しやすい体と心を育むための、やさしく確かな第一歩なのです。
「休むこと」は、妊活のはじまり

妊娠は、体と心が整ったときに、ふと訪れる奇跡です。
けれどその奇跡は、がんばり続けた先ではなく、そっと立ち止まり、深く呼吸できたときに訪れるのかもしれません。
あなたの毎日に、心と体がゆっくり休まる時間は設けられていますか?
もし答えが「NO」だとしたら、今夜はほんの少しでいいから、早めに布団に入ってみましょう。
スマホを閉じて、あたたかいお茶を飲んで、やわらかい布団に包まれて、ゆっくりと目を閉じる——。
たった15分、寝床に入る時間を早めるだけでも、それは妊娠しやすい体と心の土台をつくる、大切な“ケア”になります。
妊活に取り組むすべての女性へ——。
あなたの体は、あなた自身以上に、あなたのことをよく知っています。
だからこそ、焦らず、責めず、その声にやさしく耳を傾けてあげてくださいね。
横浜市神奈川区六角橋・白楽エリアにある鍼灸マッサージ院 如月では、
一人ひとりの体質やお悩みに合わせた丁寧な施術で、心と体のバランスを整えるお手伝いをしております。
「なかなか妊娠できない状態が続いている…」「検査で異常がないのでどうしていいのかわからない」
そんな方も、どうぞご自身を責めず、まずは気軽にご相談ください。
妊活のスタートラインは、“頑張る”ではなく“休む”ことから。
あなたが安心して眠れる毎日を取り戻すことのお手伝いをさせていただきます。
