・睡眠は短いけど平気だった
・4〜5時間で十分だった
・寝なくても気合で動けた
このように短時間睡眠を続けた結果体調を崩す“自称ショートスリーパー”の方を、鍼灸院を運営していると本当によく見かけます。
ただ、同時に多いのがこんなお悩みです。
・朝から疲れている/起きた瞬間からしんどい
・頭痛、首肩こり、背中のこわばりが抜けない
・妊活中で、体の土台(冷え・緊張・ストレス)が整わない
もしあなたが「ショートスリーパー」だと思っているのに、こうした不調があるなら
単純に“慢性睡眠不足”である可能性があります。
この記事では、ショートスリーパーについての正しい認識を身につけるとともに、慢性的な睡眠不足に対して今日からできる第一歩までを解説していきたいと思います。
【ショートスリーパーとは?レア遺伝子】「本物」は“遺伝的エリート”

一般的に語られる「ショートスリーパー」は、ただ睡眠時間が短い人のことではありません。
6時間未満(多くは4〜6時間)でも、日中の強い眠気や健康面の悪影響が目立たず、長期的にもパフォーマンスが保たれやすい――というのが前提になります。
つまり、「短く寝ている」ではなく、『短くても“回復が成立している人』たちです。
そして、この体質は「気合で慣れる」ものではなく、希少な遺伝子(代表例はDEC2)の関係性が報告されています。
ここで「人数的にどれくらいレアなの?」という話ですが、おおよそ「10万人に2人」と考えられいます。
つまり「遺伝子で裏付けられた“本物の自然短眠”は非常にレア」。
一方で、世の中に多い「自称ショートスリーパー」は、体質というより 睡眠不足が“当たり前化”しているケースが圧倒的に多い――ここをまず押さえるのが安全です。
【ショートスリーパーは訓練ではできない】「削って慣れる」は、ただ鈍感なだけ

「睡眠を削れば体が慣れる」この発想は非常に危険です。
先の説明の通り、本物のショートスリーパーは努力で作るものではなく遺伝的体質が関わると考えられているからです。
たとえるなら、ウサイン・ボルトのように100mを9秒台で走れる人が、世界でもほんの一握りなのと同じ。
「練習すれば誰でも9秒台に行ける」という話ではなく、才能(体質)という前提がまずあります。
ショートスリーパーもそれに近いイメージです。
さらに厄介なのは、睡眠不足は“自覚が鈍る”方向に進むことがある点です。
短眠を続けている人ほど、「眠い」という分かりやすいサインが弱まり、その代わりに別の形で不調が出てきます。
・集中力が落ちているのに本人は気づきにくい
・ミスが増える/判断が雑になる
・感情が揺れやすい(イライラ、不安、落ち込み)
ここで大事なのは、「眠くない=足りている」ではないということ。
眠気が目立たないのに不調が出ているなら、むしろ睡眠不足を疑うべきなのです。
【デフォルト?睡眠不足の4つの特徴】セルフチェック
睡眠不足は、本人が気づきにくいからこそ“チェック”してみることが大事。
次の4つは、睡眠不足のサインとしてよく知られています。
1)起床して4時間くらいで眠気がくる
2)日中に倦怠感・疲労感がある
3)帰りの電車やソファで居眠りしがち
4)休日は平日より2時間以上寝てしまう
いかがでしょうか?
当てはまる方は「自称ショートスリーパー」の可能性が高く、まず“足りていない”前提で生活を組み直した方が早いです。
【睡眠不足の短期・長期的な弊害】「今」と「未来」を理解する

睡眠不足の問題は、「眠い」だけではありません。
むしろ厄介なのは、眠気が目立たないまま、心身のパフォーマンスに影響が出ることです。
【短期的な弊害】パフォーマンスが落ちる
・集中力、注意力、判断力が落ちる
・感情が揺れる(イライラ、不安、落ち込み)
・作業効率が落ちて、結局時間が増える
・食欲の調整が乱れやすい(間食が増える/濃い味・甘いものが欲しくなる)
最も恐ろしいことは、この状態が無自覚であることが多いということです。
【長期的な弊害】生活習慣病の確率UP
睡眠不足が数ヶ月〜年単位で続くと、短期的な「眠い・だるい」を超えて、体の代謝やホルモン、血圧や血糖のコントロールにまで影響が及びやすくなります。
結果として、生活習慣病のリスクが上がる方向に傾きやすいのが問題です。
例えば、こんな変化が起きやすくなります。
・体重が増えやすい/戻りにくい
・血糖コントロールが乱れやすい(食後の眠気・だるさが強い など)
・血圧が高めに傾きやすい
・疲労が抜けにくくなり、運動や生活改善の継続が難しくなる
・ストレス反応が抜けにくく、緊張が“標準状態”になってしまう
さらに、妊活・不妊のお悩みがある方にとっては、睡眠不足は“もったいない”要因になりがちです。
妊活は、体のリズム(ホルモン、体温、ストレス耐性、循環、冷え、緊張)を整える積み上げです。
睡眠が崩れていると、どうしても土台が揺れやすい。
もちろん、睡眠だけで全てが決まるわけではありませんが、整える価値は大きいです。
【おすすめの方法】30分睡眠時間を伸ばす

改善の第一歩は、派手なテクニックではなく「まず量」です。
ただし、ここで挫折しやすいのが「いきなり1時間早寝しよう」とすること。理想を高くしすぎると、忙しい日が続いた瞬間に崩れやすくなります。
おすすめは、たったこれだけ。
【最初の一手】まずは睡眠時間を「30分」だけ伸ばしてみましょう。
たった30分でも、体は意外と正直に反応します。たとえば、
- 朝が少し楽
- イライラが減る
- 肩が軽い
- 胃腸が落ち着く
こうした変化が出たなら、あなたは“ショートスリーパー”ではなく、睡眠不足が土台になっていただけの可能性が高いです。
ちなみに、18〜64歳の推奨睡眠時間は7〜9時間が目安とされています。
まずは理想に一気に寄せるより、今の睡眠に「+30分」から始めて、体調の変化を確認していきましょう。
【まとめ】「短く寝る」より「回復できる体」を取り戻そう

今回のポイントを、最後に整理します。
- 本物のショートスリーパーは、遺伝的エリート
- “自称ショートスリーパー”は、睡眠不足がデフォルト化しているケースが多い
- 睡眠不足は、短期的には集中力・感情・作業効率・食欲などに影響しやすい
- 長期的には、代謝やホルモン、血圧・血糖のコントロールが崩れやすく、生活習慣病リスクが上がる方向に傾きやすい
- 最初の一歩は「まず30分、睡眠時間を伸ばす」こと
ここまで読んでいただいた方に、最後に一つだけ強めに言うなら、睡眠不足は「百害あって一利なし」です。
頑張り屋さんほど「削ってでもやる」選択をしがちですが、睡眠を削ると、集中力も判断力も感情の安定も落ち、結局は仕事も生活も遠回りになりやすい。
実際、仕事ができる人ほど「睡眠を軽視しない」傾向があります。
それは意識が高いからというより、睡眠を整えると――
- 同じ時間でも集中できる
- 判断が速くなりミスが減る
- イライラや不安に持っていかれる時間が減る
- 回復が早くなり、継続できる体になる
といった形で、結果的に“使える時間”が増えることを体感しているからです。
「寝る時間がもったいない」と感じる方ほど、睡眠を整えたときに“時間の増え方”が変わります。
まずは今夜から、たった30分。そこから体の反応を見てみてくださいね。
横浜市神奈川区六角橋・白楽で、睡眠・自律神経・妊活のお悩みを鍼灸で整えたい方は、状態を整理するところから一緒に進められます。
無理に頑張らず、“整う方向”を選びましょう。
「自分の睡眠スタイルがよく分からない」「何から手をつけたらいいか迷う」という方も、簡易的なチェックからであればいつでもご相談に乗ります。お気軽に当院までご相談ください。
【参考文献】
・日本睡眠教育機構『健康・医療・福祉のための睡眠検定ハンドブック』全日本病院出版社
・渥美正彦 『ぐっすり!』 徳間書店
・西野精治、千葉伸太郎、一般社団法人ブレインヘルスラボ『ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー』
