「眠れない」の裏側にある5つのタイプとは?
「最近、夜眠れなくて……」
このような悩みを持つ若者は年々増加しています。
ですが、一言で「眠れない」といっても、その背景や原因は人それぞれまったく異なります。
最新の脳科学研究によって、若年成人における「不眠」は5つの典型的なパターンに分類できることが明らかになりました。
しかも、それぞれのパターンは、単に睡眠の問題だけでなく、メンタルの状態、生活習慣、脳の働き方までも含めた包括的なプロファイルとして現れるのです。
この記事では、「不眠タイプ」の全体像と、あなたがどのタイプに当てはまるのかを解説していきたいと思います。
最新研究が明かす「眠れない若者」の5タイプとは?

2025年に発表された国際研究では、22歳から36歳の健康な若者770人を対象に、「睡眠・メンタル・生活背景・脳機能(fMRI)」を同時に測定したところ、5つの不眠タイプが抽出されました。
それぞれのタイプについて、特徴と見分け方、対処法を紹介します。
タイプ1:睡眠もメンタルも不安定タイプ
このタイプは、睡眠の質も満足度も低く、精神的にも大きな負荷を感じている傾向があります。
• 主な訴え:
「布団に入っても寝つけない」
「熟睡感がない」
「夜中に何度も目が覚める」
「気分が落ち込む」
「何も楽しくない」
• 見分け方:
日中の意欲が低下、家事・仕事へのエネルギーが湧かない
睡眠の質・量ともに不満を感じている
• 対処法:
睡眠改善だけでなく、メンタルケアを含めた総合的なアプローチが必要。医師やカウンセラーへの相談も選択肢に。
タイプ2:メンタル不調だが睡眠に自覚がないタイプ
意外に多いのがこのタイプ。「よく眠れていると思っているが、実はメンタル不調が深刻」というケースです。
• 主な訴え:
「寝れているけど、気分が落ち込む」
「ストレスたまりやすい」
• 見分け方:
睡眠時間は確保してあり、中途覚醒などもない
集中力や注意力が低下などのメンタル面の訴えが強い
• 対処法:
今後睡眠に悪影響が出る前に、メンタルサポートを意識することがカギ。
タイプ3:睡眠薬・サプリに依存しがちなタイプ
「サプリを飲まないと眠れない」という人も、このタイプに多く見られます。
• 主な訴え:
「サプリ・お酒をうまく使って寝ている」
「飲まないと眠れなくなる」
「仕事・人間関係はそれなりにうまくいっている」
• 見分け方:
対人関係は良好だが、記憶力や集中力の低下を感じている
睡眠薬・サプリ・寝酒など「何かに頼る習慣」がある
• 対処法:
服薬やサプリを否定せず、生活リズムや“睡眠衛生”の改善で自然な入眠力をサポートする必要があります。
タイプ4:短時間睡眠→認知機能低下タイプ
睡眠に対する誤った知識や自己理解ゆえに睡眠不足となった結果、認知力の低下に気づかず生活しているケース。
• 主な訴え:
「私、ショートスリーパーだったんです」
「寝る時間が勿体無い」
「仕事中に集中が続かない」
「物忘れが増えた」
• 見分け方:
平均睡眠時間が明らかに短い
本人は「問題ない」と思っているが、怒りっぽくなったり、些細なミスが増加
• 対処法:
「若いから大丈夫」「ショートスリーパー」という神話を壊し、適切な睡眠時間(7~8時間)の重要性を再認識してもらうことが大切です。
タイプ5:中途覚醒が多く、不安や飲酒に繋がるタイプ
眠りはじめは順調でも、夜中に何度も目が覚める――そんな中途覚醒型不眠。
• 主な訴え:
「途中で何度も起きてしまう」
「寝る前の飲酒やスマホ・タバコやめられない」
• 見分け方:
就寝前ルーティンに、お酒・スマホ・喫煙などの刺激習慣が定着
• 対処法:
中途覚醒の原因を見極め、「起きた後にどう過ごすか」が再入眠のカギ。
睡眠環境の調整や、感情との向き合い方の見直しが重要です。
睡眠改善のために、今日からできる3つのこと
- 自分の不眠タイプを理解すること
ただ眠れないという訴えではなく、「なぜ眠れないのか」を自覚することが第一歩です。
2. 生活リズムの再構築
起床・就寝時間の固定、夜のブルーライト回避、カフェインやアルコールの見直しなど、小さな改善が大きな変化に。
3. 必要に応じて専門家に相談
鍼灸、睡眠外来、カウンセリングなど、一人で抱えず専門的な支援を活用することも大切です。
「眠れない若者」は1つじゃない。不眠の多様性と正しい向き合い方
今回ご紹介した研究は、「なぜ眠れないか?」が非常に多様であることを示しています。
単に「睡眠時間が短いから」「ストレスがあるから」と決めつけるのではなく、メンタル・脳・生活環境の全体像を見ながら原因を見極めて、改善のためのアプローチすることが重要です。
もしあなたや周囲に「眠れない」と悩む人がいれば、この記事の5タイプ分類を参考に、その人に合った声かけや対処法を検討してみてください。
原因を見極めて、最高の睡眠を取り戻していきましょう。
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※出典
Perrault AA, Kebets V, Kuek NMY, et al. Identification of five sleep-biopsychosocial profiles with specific neural signatures linking sleep variability with health, cognition, and lifestyle factors. PLoS Biol. 2025;23(10):e3003399. Published 2025 Oct 7. doi:10.1371/journal.pbio.3003399
