睡眠意識の高まりと共に注意したいこと=生活が何よりも大事=
現代の忙しい日常の中で、十分な睡眠を確保することが難しいと感じる方は少なくありません。夜遅くまで続く仕事やスマートフォンの使用、ストレスや生活環境の問題など、睡眠を妨げる要因は数多くあります。そんな現況に加え、睡眠市場の盛り上がりから、”睡眠サプリメント”が注目される快眠グッズの一つとして挙げられます。しかし、これらのサプリが持つ本当の役割を理解し、正しく活用することが重要です。
睡眠サプリメントの役割と限界
睡眠サプリメントは、睡眠の質を改善するための”補助的”なツールです。
しかし、それだけで劇的な改善を期待するのは誤り。快適な睡眠を得るためには、まず日常生活や環境を見直すことが基本となります。
例えば、睡眠に悪影響を与える習慣を改善しないままサプリメントに頼るのは、短期間での効果を得られたとしても、根本的な解決にはつながりません。
夜遅くまでスマートフォンやパソコンの画面を見る、夕方以降にカフェインやアルコールを摂取する、ストレスを溜め込むといった行動を減らすことが、より良い睡眠のための最初のステップとなるのです。
代表的な睡眠サプリの成分とその効果
上記の内容を踏まえて、日本で流通されているサプリをご紹介したいと思います。
日本で認可されているサプリメントは危険性も低いとおり、以下のような成分が含まれています。
GABA(γ-アミノ酪酸)
リラックス効果や抗ストレス作用が期待されており、睡眠改善をサポートします。ただし、経口摂取では脳の関所である血液脳関門を通過しにくいと言われています。効果を実感できるかは個人差がありますが、リラックス効果を得られる方には適しているでしょう。
ラフマ由来イソクエルシトリン・ヒペロシド
深い眠りを増やし、睡眠の質を高めることが期待されています。特に睡眠の浅さが気になる方には試す価値があります。
テアニン
緑茶に含まれる成分で、副交感神経の活動を活発にし、リラックス効果をもたらします。覚醒系の神経伝達物質を抑制する働きがあり、寝つきの悪い方には効果が期待されます。
クロセチン
サフランに含まれる成分で、眠りが浅いと感じる方や眼精疲労を改善したい方に向いています。深い睡眠を促す効果が研究されています。
メラトニン
海外では栄養補助食品として広く利用されていますが、日本では処方薬としての使用が主流です。体内時計を調整する作用があり、特に時差ボケや夜勤による睡眠リズムの乱れに有効です。
サプリの選び方と注意点
睡眠サプリメントを選ぶ際には、以下のポイントに注意してください。
- 科学的根拠があるか: エビデンスに基づいた製品を選ぶことが重要です。過剰な広告や宣伝に惑わされないようにしましょう。
- 自分の悩みに合った成分を選ぶ: たとえば、寝つきが悪い方にはテアニン、眠りが浅い方にはクロセチンが適しています。
- 摂取タイミングを考慮する: サプリメントは摂取するタイミングによって効果が異なります。使用前に説明書をよく読みましょう。
最後に:睡眠サプリを活用する際の心構え
繰り返しになりますが、睡眠サプリメントはあくまでも補助的な役割です。その効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の改善が必要不可欠です。また、効果を実感できない場合や不眠が慢性的に続く場合は、専門家に相談することをお勧めします。
睡眠は私たちの心身の健康に直結しています。日々の生活を見直すことで、より良い睡眠と健康な毎日を手に入れましょう。
「ご自身の生活習慣や体質、どのような要素が睡眠の質を下げているのかわからない」
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鍼灸あん摩マッサージ師であり、スリーププランナー&睡眠健康指導士である院長が
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出典・参考文献
- 消費者庁, 様式Ⅰ: 届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け), https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41807180170102
- 太陽化学株式会社, 食と健康Lab, 学術コラム, L-テアニンと睡眠, https://www.taiyokagaku.com/lab/column/09/
- 「ビジネスに活かす睡眠資格 スリーププランナー」西野精治(著), 千葉伸太郎 (著), 一般社団法人ブレインヘルスラボ